4-9 医療法人の出資持分の意昧

医療法人の出資持分の内容、留意点について教えてください。

(1)医療法人の出資持分は社員総会における議決権に影響じません。
(2)出資持分は、利益の蓄積、および不動産の値上がりにより評価が上がります。
(評価方法については4-104-11、移転については4-12をご覧ください)

(1)医療法人の出資持分および基金の内容

持分の定めのある医療法人や出資額限度法人を設立したときに出資した金額が出資持分であり、基金拠出型法人に拠出した金額が基金です。これは、出資または拠出した財産と債務の差額として表される金額です。
出資持分は、出資者ごとの出資口数により、全体の中の持分が決められています。対して、基金は持分の考え方はありません。
一般の会社の場合には、出資持分等が議決をするための手段であると同時に、配当を得る基準となりますが、医療法人の場合には、議決権が出資額または拠出額に応じて異なることはありません。社員総会において、各社員が等しいl票の議決権を行使します。また、配当が禁止されていますから、出資持分または基金を所有していることは、所有権の持分または基金返還請求権を有しているという意昧しかありません。

(2)持分の定めのある医療法人の出資持分の評価

持分の定めのある医療法人の設立時は、出資金額の価値しか有しませんが、その後の医療法人での利益の蓄積や、所有不動産の値上がりなどによって、評価金額が上昇することになります。
特に医療法人の場合には、配当が禁止されていますから、利益が内部蓄積されることにより評価金額が高額になる傾向があります。
さらに、所有不動産の値上がりに対して、評価圧縮のための対策をとる場合にも、医療法人の場合には、医療用以外の資産への投資が禁止されているため、評価圧縮対策をとりにくいという面もあります。したがって、医療法人を運営していくには、この点に対して留意することが必要です。

出資持分の移転

04-09