4-10 出資持分の評価(1) 評価方式

持分の定めの抗医療法人・出資限度額法人の出資持分について教えてください。

(1)出資持分の評価は、出資者の状況と医療法人の規模により決定します。
(2)評価方法は、純資産価額方式と類似業種比準価額方式とがあります。

持分の定めのある医療法人・出資限度額法人の出資持分の評価は次のように考えます。

(1)医療法人規模の決定

医療法人の出資持分の評価は、その規模に応じて、評価方式を決定することになっています。
医療法人規模は、従業員数・従業員数を加昧したところの総資産価額・取引金額により、大会社・中会社・小会社に区分されます。

(2)評価方法の決定

会社規模が決定されると、各々の会社規模に応じた評価方法を決定することになります。
小会社の場合には、純資産価額方式を原則としますが、併用方式の評価金額が低い場合には、その金額によることができます。
中会社の場合には、併用方式によることとなります。併用割合は会社規模に応じて「L割合」(下図参照)により算定することになります。ただし、算式において選択により、類似業種比準価額にかえて、純資産価額をとることができます。
大会社の場合には、類似業種比準価額方式を原則として、純資産価額方式の評価金額が低い場合には、その金額によることができます。
なお、評価する医療法人が、株式保有特定会社、土地保有特定会社、開業後3年未満の会社、開業前又は休業中の会社などに該当する場合、この評価方式によらず、原則純資産価額方式により評価することになります。

医療法人の規模と評価方式

医療法人規模の判定

規模区分 小会社 中会社 大会社
区分の内容→ 従業員数が100人未満で下のいずれにも該当 従業員数が100人未満で下のいずれかに該当 従業員数が100人以上または下のいずれかに該当
 ↓判定項目
総資産価額および従業員数 4,000万円未満または従業員数が5人以下 4,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く) 10億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く)
直前期末以前l年問における取引金額 6,000万円未満 6,000万円以上20億円未満 20億円以上

評価方式

小会社 中会社 大会社
純資産価額方式 (併用方式が低い場合にはその価額) 併用方式 類似業種比準価額×L+純資産価額×(1-L)(純資産価額の選択可 類似業種比準価額方式(純資産価額方式が低い場合にはその価額)

注:純資産価額方式 解散した場合の持分評価を想定して評価する方法。時価に近い評価となります。
類似業種比準価額方式同業他社(医療法人など)の平均株価に比準して評価する方法。含み益は直接は表れてきませんが,高収益をあげている場合,評価額がかなり高くなる場合もあります。

L割合

L割合→ 0.6 0.75 0.9
↓判定項目
総資産価額および従業員数 5,000万円以上4億円未満(従業員数が5人以下の会社を除く) 4億円以上7億円未満(従業員数が30人以下の会社を除く) 7億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く)
直前期末以前1年間における取引金額 8,000万円以上7億円未満 7億円以上14億円未満 14億円以上20億円未満

*小会社にて併用方式を用いる場合,L割合は常に0.5となります。