3-7 MS(メディカル・サービス)法人の設立対策

MS法人の活用による相続対策について教えてください。

(1)メデイカル・サービス法人(MS法人)は、医業関連業務の代行会社としての有用性があります。
(2)MS法人は、医業外業務についても業務を行うことができます。

(1)MS(メデイカル・サービス)法人の業務内容

MS法人は、医療法人とは異なり、一般の法人ですから、医療関連業務はもとより、その他の業務についても行うことができます。
個人開設の場合には、その医業経費の内容のうち、とりまとめて処理したほうが有効な業務について、MS法人に業務委託することになります。
たとえば、医業用消耗品、材料の比率が高い診療所等にあっては、MS法人でそれらの材料等を一括購入することによって、集中購買による利益を生み出すことができ、または、機械設備投資が多額の診療所等にあっては、MS法人が機械のリース事業を行うことにより、設備投資支出を平均化することもできます。
このような業務により、生み出されたMS法人の付加価値はMS法人の利益になることにより、結果的に個人所得がMS法人に移転していくことになります。また、MS法人は医療以外の業務も行えるため、個人医業以外の不動産の管理等、資産管理会社的役割を担う場合もあります。さらに、MS法人に利益蓄積がされて財務体力がついた場合には、個人資産の買い取りを行う受皿にもなり得ます。

(2)MS法人の相続対策

MS法人を相続対策の観点から考えた場合には、個人資産の管理、および資産の移転先としての意昧が強くなります。資産の買い取りの場合には、MS法人の財務体力によりますが、個人所有であった医療用資産を買い取って賃貸方式に転換する方法や、医療法人では買い取りが困難となる個人の賃貸不動産についても、MS法人において買い取れる場合があります。
MS法人の活用については、第1に医業関連業務をMS法人に移管して、財務体力を蓄えた後に、個人資産の買い取りへと進むことが、より効果的な相続対策となります。
また、将来の相続を見据えて、MS法人の出資者をご子息などにすることで、MS法人の株式を院長の相続財産としないようにすることも相続対策のひとつといえます。

MS法人の設立対策

03-07