2-4 住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例

「住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例」について、内容を教えてください。

(1)住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の適用対象者は、贈与者は毅(年齢制限なし)、受贈者は20歳以上の贈与者の推定相続人で直系卑属であれば対象となります。年齢の判定は、その年の1月1日現在で判定します。
(2)住宅取得等資金の贈与税の非課税制度を併用した場合、特別控除額の2,500万円に加え、非課税となる金額が平成!25年は一般住宅の場合700万円、良質な住宅用家屋の場合1,200万円あります。
(3)住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例は、平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間に贈与により取得した住宅取得等資金について適用されます。

(1)贈与財産が住宅取得等資金である場合

贈与者である親の年齢に関らず相続時精算課税制度を選択することができます。また、住宅取得等資金の非課税制度を併用した場合の非課税枠は次のとおりとなります。

平成25年 平成26年
良質な住宅用家屋の場合 1,200万円 1,000万円
(東日本大震災の被災者の場合) (1,500万円) (1,500万円)
一般住宅(上記以外)ーの場合 700万円 500万円
(東日本大震災の被災者の場合) (1,000万円) (1,000万円)

(2)ー適用対象者

住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の適用対象者は、贈与者は親(年齢制限なし)、受贈者は20歳以上の贈与者の推定相続人で直系卑属であるものが対象です。また、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度を併用する場合には、これに加え合計所得金額が2000万円以下であることが条件です。各年齢の判定は、その年の1月1日現在で判定します。

(3)適用要件

≪1≫受贈者が取得した住宅取得等資金を、取得した年の翌年3月15日までに、自己の居住の用に供する一定の家屋の取得文は自己の居住の用に供する家屋の一定の増改築の費用に充てること。
イ)取得の場合、床面積50ぱ以上240平方メートル※1以下で既存住宅の場合には耐火建築で築25年以内約、非耐火建築で築20年以内※3
ロ)増改築の場合、増改築後の床面積50平方メートル以上240平方メートル※1以下で工事費用が
100万円以上
※l非課税制度併用の場合
築25年超のものについては新耐震基準を満たすもの
制築20年超のものについては新耐震基準を満たすもの
≪2≫≪1≫により取得又は増改築等した家屋を、同日までに自己の居住の用に供すること、または同日後遅滞なく自己の居住の用に供すると見込まれること。

(4)適用手続

この規定の適用を受けようとする場合には、受贈者がその贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの聞に、税務署長に対して相続時精算課税選択の届出をし、かつ一定の書類を提出しなければなりません。

(5)税額の計算

贈与税の非課税枠を超える部分は、一律20%の税率で課税されます。

住宅取得等資金の相続時精算課税制度選択の特例と非課税制度(平成25年)

02-04

(1)暦年課税 (2)相続時精算課税制度 (3)相続時精算課税制度選択の特例 (4)住宅取得等資金の非課税制度
控除適用枠 基礎控除
110万円まで
特別控除2,500万円まで 非課税枠 1,200万円又は700万円(平成25年)
(平成26年は1,000万円又は500万円)
贈与者 制限なし
(年齢65歳以上)

(年齢制限なし)
親・祖父母などの直系尊属 (年齢制限なし)
受贈者 制限なし 贈与年1月1日時点で20歳以上の推定相続人である子
(子が亡くなっている場合は孫)
贈与年1月1日時点で20歳以上の子・孫等の直系卑属(合計所得金額2,000万円以下)
贈与財産 制限なし 制限なし 新築住宅、中古住宅の資金
-対象物件の床面積は50平方メートル以上(非課税制度の場合は50平方メートル以上240平方メートル以下のもの。上限240平方メートルは震災被災者は除く。)
-店舗併用住宅は1/2以上が住宅
-耐火建築物は築25年以内、それ以外は築20年以内増改築の資金
-対象物件の床面積は50平方メートル以上(非課税制度の場合は50平方メートル以上240平方メートル以下のもの。上限240rriは震災被災者は除く。)
-工事費用100万円以上
・店舗併用住宅は1/2以上が住宅
・居住用部分の工事費用が全体の1/2以上
税率 基礎控除枠超える
部分に対して
累進課税
(10%50%)
特別控除枠2,500万円を超える部分に対して一律20% 単独適用の場合は基礎控除+
非諜税枠を超える部分に対して累進課税
(1)と併用の場合は特別控除枠+非課税枠を超える部分に対して一律20%
贈与税の申告 税額が出る
場合は必要
税額が出なくても必要
併用関係 (4)との併用可 (4)との併用可 (1)、(3)と併用可