4-1 医療法人制度

現在の医療法人制度はどのようになっているのでしょうか。

通常設立される法人に限れば、設立した時期や定款により、医療法人の形態は「持分の定めのある社団医療法人」、「出資額限度法人」、および「基金拠出型法人」に分類されます。

(1)医療法改正

原則として医療法人は配当禁止であり、また営利事業を行うことができません。しかし、社員退社時に剰余金部分を含めた出資持分の払出しを行うことが出来ますし(実質的配当)、MS法人を利用した営利目的化が見受けられていました。また、公から民への公共医療の移行の要請があったため、医療法が改正され(平成19年4月1日施行)、医療法人制度も大きく変わりました。

(2)持分の定めのある医療法人

持分の定めのある医療法人とは、平成19年医療法施行前に設立された法人で通常設立された形態です。この形態は出資持分に応じて法人の持分を出資者である社員が保有しています。
この形態の医療法人は、医療法改正により設立することが出来なくなりました。したがって、この法人形態で医療法人運営を行う場合には、現存する当該形態の法人格を購入してくる方法をとる乙ととなります。

(3)出資額限度法人

出資額限度法人とは、(2)の持分の定めのある医療法人のうち、退社や死亡による出資金の払戻をその出資額を限度とする旨定款で定めている医療法人のことをいいます。全ての社員に出資金を払い戻した後に残る残余財産については、国等ヘ帰属させることとなります。
この形態の医療法人も新医療法施行後は設立が出来なくなりましたので、持分の定めのある社団医療法人同様、この形態を望まれる場合には現存する当該形態の法人格を購入する方法しかありません。

(4)基金拠出型法人

平成19年4月1日の新医療法施行後に通常設立される医療法人の形態です。この医療法人は持分の定めがなく、また、基金の払い戻しも拠出された基金を限度としてしか行われません。解散時全ての拠出者に基金を払い戻した後に残る残余財産については、国等ヘ帰属させることとなります。
04-01

平成19年4月以降設立できる医療法人は、新法の医療法人のみ
(財団医療法人又は社団医療法人であって持ち分の定めのないもの)
※経過措置型医療法人(旧法の医療法人)は、平成19年4月以降設立不可

(出典:ワタキューメデイカルニュースNo.174一部加工)