基金拠出型法人における税務上の変更点について

a.交際費等の損金不算入制度
資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人に係る交際費課税については定額控除限度額が年600万円です。基金拠出型医療法人は出資がない法人のため、別途定める方法により算定した金額を資本金等に準ずるものとして判定します。
湖末総資産簿価一期末総負債簿価-(当期利益または当期損失)|×60%
※当期、利益が計上されていれば金額を控除し、欠損が生じている場合はその金額を加算します。
b.寄付金の損金不算入制度
  事業年度の所得金額の2.5/100相当額となります。

c.消費税
  新設の基金拠出型医療法人は出資ではなく基金拠出となるので、
 設立2期は消費税の納税義務者とはなりません。

d.均等割(住民税)
  出資金額の無い法人のため、各税率表の最低金額が適用されま
 す。

e.基金の相続税評価
今までの医療法人の出資持分の相続税評価は、一般法人の「取引相場のない株式」に準じて行われていました。つまり、相続税の財産評価基本通達により、a.類似業種比準価額方式b.純資産価額方式c.類似業種批准価額方式と純資産価額方式の折衷方式によって非上場株式と同じように評価します。(細かい評価方法については説明を省略します)ただし、この評価方法は通常の営利法人を対象にしており、財産を時価評価するということが前提になっているので資産の含み益にも課税することになっています。
  今回の医療法改正により、基金拠出額は出資ではなく債権ですので、基金拠出した額以上には評価されないことになります。