6-3 税テク運用

税金を活用した資産運用について教えてください。

不動産や金融資産の運用を考える場合、表面的な利回りだけでなく、税引後の手取客員としての実質的な利回りを検討して、運用対象を選択することが重要です。

(1)金融資産運用と税金

大部分の金融商品は、源泉分離課税といって、他の所得とは分離して課税計算されるしくみになっています。所得税の分類上は、利子所得となり、税金は運用益の20%で済みます(所得税15%、住民税5%)。総合課税の場合、所得税・住民税の合計で最高50%(平成27年以降は55%)の税率となっていますから、収入が多く、所得税・住民税の税率の高い方の場合には源泉分離課税の方が有利になります。
ただし、この場合、借入金で投資しても、投下資金に対する借入金利息については、税務上全く考慮されません。
なお、主な金融商品の課税方式と利回りについては、「6-1」を参照してください。

(2)上場株式の譲渡と税金

上場株式の譲渡益に対する課税は申告分離課税によります。
申告分離課税とは、株式等の譲渡益(株式等にかかる譲渡所得等の金額といいます)を他の所得とは分離して単独の課税がされる方式です。(原則確定申告が必要です。)
なお、特定口座制度により、源泉徴収を選択することにより、確定申告をせずに課税関係を完結させることもできます。
≪1≫譲渡益に対する税率
譲渡益に対する税率は原則20%ですが、平成25年12月31日までは譲渡益に対して10%(所得税7%・住民税3%)の優遇税率が適用されます。
譲渡益とは、譲渡(売却)代金から購入金額と借入金利子、委託手数料、管理費等の経費を差し引いた金額です。
≪2≫譲渡損失の繰越控除
上場株式等を証券会社を通じて売却したことにより生じた損失金額のうち、その年に控除しきれない金額については、翌年以後3年間にわたり、確定申告により株式等の譲渡所得の金額及び申告分離課税を選択した配当所得から繰越控除できます。

このように株式市場を活性化するため時限的措置として様々な優遇措置が定められましたが、取得価額の把握と売却のタイミングが重要となってきます。