平成25年度税制改正大綱が発表され、相続税の基礎控除額は従来の60%に引下げられることとなりました。これにより相続税の納税義務者が大幅に増えるとされています。さらに、相続税の最高税率は、50%から55%と引上げられ、富裕者層への課税が強化される見通しです。また、医療経営におきましては、診療報酬の減額改定により収入は減少傾向にあるにもかかわらず、所得税の最高税率の引上げ、消費税率の10%への引上げ、概算経費の見直しと、税制改正によりますます厳しい状況になることが予想されます。

一方で贈与税は、教育資金の贈与税の非課税、相続時精算課税の適用対象者の拡大など緩和傾向にあり、その利用の仕方によっては財産を次の世代に承継させることが容易になると期待されます。

相続が三代続くと財産がなくなると言われておりますが、ご自身の財産、築き上げてきたクリニックを守り次の世代ヘスムーズに承継するためには、前もって計画をたて、時間をかけて実行していくことが必要です。

そこで、この本は相続税の基本的な考え方から、医療法人の設立のポイントと注意点、さらには医療経営の基本的なスタンスと資産運用までを、Q&A方式により分かり易く解説いたしました。
この小冊子をご覧になった方で質問等がある方は、連絡先が最後のペジに掲載してありますので何なりとご連絡ください。弊社の担当者が親切・丁寧に対応させていただきます。

皆様に少しでもお役立ていただければ幸いに存じます。

平成25年7月吉日

辻・本郷税理士法人
理事長　本郷　孔洋